コミナト コウジ
  小湊 浩二   社会学部 社会学科   准教授
■ 標題
  経営権・人事権としての企業内教育の展開――ILO職業訓練に関する勧告(1962年)の理念との関連で――
■ 概要
  本論文は戦後日本において企業内教育訓練の本格的な普及をみるなかで、訓練が会社の人事権・経営権の一環としての性格を帯びるにいたった過程を考察したものである。分析はまず、終戦直後以来の各社の労働協約により、技能教育に関する労使の人事権上の同意約款について確認した。1946年の新労組法制定は、経営側が経営権を奪還し、教育訓練を会社側の権利として謳う協約が続々と結ばれていく契機となる。この後も訓練への労組の関与を規定する協約が生まれたことは注目されるが、多くで上述の同意約款は姿を消していった。このような折、世界的には約30年ぶりの改訂となるILOの職業訓練に関する勧告が1962年に出され、それは職業訓練実施における労使の協議・協力原則を謳い、公共レベルでも同様の原則を示していた。日本企業の流れはこの理念とは離れたものであったということである。さらに1960年代に各社において制定された「教育規定」を追ったが、それらは経営側専権の条項を多分に蔵し、また愛社精神の高揚を規定するものもあった。
  単著   大東文化大学紀要〈社会科学〉   (58),189-205頁   2020/03


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