シノナガ ノブタカ
  篠永 宣孝   経済学部 社会経済学科   教授
■ 標題
  「駐日大使ポール・クローデルとフランスの対日政策 (2)」
■ 概要
  詩人・劇作家として著名なポール・クローデルは、キャリア外交官としても第一級の人物であり、戦間期のフランス外交の基軸をなすブリアン=ベルトロ路線(国際協調路線)に連なる重要人物であった。フランス極東政策が中国重視政策から日本重視政策へと転換しようとする中、ブリアン=ベルトロ外交の切り札的人事として、クローデルが駐日大使に任命された。1921年東京に赴任したクローデルは、大戦後の国際社会の中で孤立を深めつつあった日仏両国の類似性・補完性を見て取り、あらゆる人脈を駆使して日仏接近、日仏関係の強化に尽力したのである。クローデルの努力により1924年頃までに日本の外交政策に変化の兆し(対仏接近)が見られたものの、英米協調を基軸とする「幣原外交」に殆ど変更を加えることができなかった。クローデル外交の最も成功したのは、東京・京都日仏会館の設立とか、竹内栖鳳・富田渓仙・山元春挙を甫とした画家・芸術家・詩人・文人・学者との親交や日本の伝統文化・芸術との接触によってもたらされた、日仏相互理解の進化・日仏文化交流のはってんであった。まさに「詩人大使」クローデルの面目躍如たるものがあったと言えよう。
  単著   経済論集   大東文化大学経済学会   (95),103-121頁   2010/07


Copyright(C) 2011 Daito Bunka University, All rights reserved.