ノザキ ヒロユキ
  野崎 裕之   スポーツ・健康科学部 看護学科   助教
■ 標題
  東北地⽅の精神科⻑期在院患者の地域移⾏に関わる病棟看護職の⾃⼰表現の特徴と関連要因の検討
■ 概要
  本研究は,東北地方の精神科長期在院患者の退院支援に関わる病棟看護職の自己表現の傾向の実態を把握することと,その実態に関連する要因を明らかにすることを目的とした。研究対象者は,精神科病棟平均入院日数が 365 日以上の精神病棟に勤務する看護職とし,25 施設 52 病棟に勤務する看護職 831 人に対して調査票を配布した。回答部数は 589 部であり,そのうち568 部を分析対象とした(回収率70.87%,有効回答率 96.43%)。その結果,東北地方における看護職の自己表現の傾向については,全般的には「アサーティブな自己表現」の傾向にあり,「攻撃的な自己表現」はあまりされていなかった。対象別に見ると,平均値が最も高かったのは,「患者に対してアサーティブな自己表現」(平均値 12.26)であり,平均値が最も低かったのは,「医師に対して攻撃的な自己表現」(平均値 5.87)であった。自己表現の傾向別にみても,本研究の対象者は「アサーティブな自己表現」の平均値が最も高く,「攻撃的な自己表現」の平均値が最も低かった。そして,看護職臨床経験年数および精神科臨床経験年数が長い人に比べて,10年未満の人が「攻撃的な自己表現」が低い結果となった。これは,年齢が高いほど「攻撃的な自己表現」が高くなる傾向が認められており,臨床経験を積むことによって,より自己主張するようになっていくことが示唆された。以上より,長期在院患者に対する退院支援を促進していくためには,臨床経験が浅い看護職が職場において自己表現しやすいような職場づくりを行い,一方で臨床経験が豊富な看護職については特にアサーショントレーニング教育を行うことによって,精神に障がいを抱えながらも地域で安定した生活を維持することができる精神科長期在院患者が一人でも多く精神科病棟から退院できるように支援していく必要性が示唆された。
  野崎裕之,吉村直仁,高安令子,村田ひとみ,北田志郎,杉森裕樹
  共著   ⽇本ヘルスコミュニケーション学会雑誌   日本ヘルスコミュニケーション学会   10(1),42-48頁   2019/06


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