クズメ トモヒデ
  葛目 知秀   経済学部 社会経済学科   准教授
■ 標題
  『現代経済社会の諸問題―渡部茂先生古稀記念論集-』
■ 概要
  本論文の目的は日本の最近の清酒(日本酒)の輸出動向を把握するとともに、清酒の輸出価格への外国為替相場のパススルー弾力性を計測することである。2015年において、日本国内の清酒製造業者の48.1%が清酒を輸出しており、うち大手業者(50者)の94%が輸出をおこなっている。年間ベースで見た場合、1999年の合計は輸出金額で約28億2,162万円、輸出数量で約714万3,803リットルであったが、2016年の合計は輸出金額で約155億8,106万円、輸出数量で約1,973万6,818リットルと、17年間でそれぞれ約5.5倍、約2.8倍、増加している。輸出相手国について金額ベースで見ると上位5か国は米国、香港、韓国、中国、台湾の順であるが、数量ベースでみると米国、韓国、台湾、香港、中国の順となっている。外国為替相場を名目為替相場(日本円/米ドル)とした場合、清酒の輸出価格への外国為替相場のパススルー弾力性は0.0473、名目実効為替相場とした場合のパススルー弾力性は-0.0525となっている。このことを自動車の輸出価格を分析対象とした佐々木(2013)と比較すると、外国為替相場の変化に対応して、清酒製造業者は輸出価格を大きく変化させるような企業行動は取っておらず、結果として外国為替相場を通じて輸出相手国における輸入価格が変化してしまうため、売上や利益に影響を及ぼしている可能性がある。また、輸出相手国別にパススルー弾力性を見ると、米国(0.3490)、台湾(0.4245)、カナダ(0.3123)が統計上、有意となっており、国別に対応が異なっていることも明らかとなった。
  渡部茂先生古稀記念論集刊行委員会(編)
  共著   学文社   127-144頁   2018/03


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